いよいよ明日、私は福岡へ向かう。九州沖縄展に参加するためだ。なんというか、こうして県外へ足を運ぶ機会は、少なからず胸を躍らせるものがある。だが、その一方で、未踏の土地の気候が私を不安にさせる。週間予報を見ると25℃を超える日が続いているとはいえ、秋の風は気まぐれだ。急な寒暖差、予測不能な天候に、服装を如何にして立ち向かうべきか…。
そして、屋台での食事を夢見ている自分がいる。福岡と言えば、やはりあの独特な屋台文化だろう。しかし、私は本当にそんな余裕があるのだろうか。展示会という重責を背負いながら、屋台で食事を楽しむ時間があるなんて、どこか夢のように思える。でも、もしも時間が許されるなら、あの温かい湯気の中で、一杯のラーメンに癒されたい。それは、疲れ果てた私にとって、唯一の救いになるだろう。
県外の展示会は、いつも特別な感慨を伴う。新しい場所、人々、そして新しい味。私は高秋化学の代表として誠心誠意、我が社の魅力を伝え、世に伝える努力をしよう。けれど、その裏で密かに期待しているのは、福岡の地で出会うであろう一瞬の美食の楽しみだ。忙しさに追われながらも、そのひと時に救われるかもしれないと、淡い期待を抱いている。